
Tオーディオ探索で倉庫に眠っていた
ロウザー型の励磁ユニットの訳アリを手に入れました
オリジナルのロウザーPM2Aユニットのマグネットを外して
簡単に磁気回路が交換できる、励磁ユニットです
取り敢えずケント紙のコーンが付いていますが、ボイスコイルがタッチするようで
いつか直そうと思ったらしく長期保存されていた個体です
ロウザーPM2Aユニットを手に入れ、振動板をオリジナルに入れ替えるか

ボイスコイルタッチしてしまうこの訳アリ振動板を修理して使うか
音を出してから考えようと思っています
訳アリ振動板もなかなか軽量のようにも見えますが、
ちょっと重そうですね、オリジナルはほんとに軽い振動板です
励磁スピーカーの最重要ポイントは「軽量振動板」だと思っています

以前、励磁の魅力を、軽量振動板に拘ったフィーストレックスの故秋山氏に書いて頂いたことがあります
電磁石を採用した励磁型スピーカーがなぜ優れているのか。
励磁型ダイナミックスピーカが永久磁石ダイナミックスピーカーよりなぜ性能が優秀な
のか、この理由を解説するには先ずスピーカーの動作を知ることが必要です。
強力な磁石によってポールピースとポールプレートの空隙に磁束を発生します。
その磁場の中にボイスコイルがあり、これに増幅器から音声電流を送りますと、その電流に相当してコイルは前後に振動し振動板を振動させ音声が発生します。
然しスピーカーの動作はそれだけではありません、ボイスコイルは磁場内で振動すると同時に、磁場内の磁束を切るので、発電機の原理でボイスコイルに起電力を発生します。
この起電力は方向が増幅器からの供給電流と反対であるため逆起電力になります。
そこでボイスコイルの運動を阻止する働きをします、即ち電気ブレーキをかける作用をします。
従ってボイスコイル及振動板慣性、慣性等の過渡作用を電気的に阻止します、そのために過渡特製はぐっと良くなります。
この逆起電力を発生する交流磁束は磁気回路の磁気抵抗(Reluctance)が大きいほど弱くなり、阻止作用も当然弱くなります。
このリラクタンスは磁性体そのものの透磁率(μ)に影響されます。
この透磁率(μ)は、空気を基準として1.0としており、磁気回路を構成する各材料の
もつ数値の目安を下に示しました。
フェライト磁石 ・・・μ=1.1
アルニコ磁石 ・・・・μ=5〜7
純 鉄 ・・・・・・ μ=4,000
パーメンジュール・・ μ=10,000
フェライト磁石よりアルニコ磁石スピーカーの性能が良いことは衆知の事実であります。したがって、磁気回路にμの大きい純鉄やパーメンジュールを使用した電磁石スピーカの性能の優秀さは説明するまでもないと思います。
例えばスピーカを働す目的の増幅器の性能を測定試験する場合、負荷としてスピーカーの代わりに抵抗器が用いられました。抵抗器は周波数には無関係でありますがスピーカーはインピーダンス周波数によって著しく変化します。その上逆起電力が発生します。又、スピーカーや増幅器の性能を測定する電源は普通の発信器による、正源波或矩形波の単純音が使用されています。
然し実際にスピーカーを使用する場面は、音声・音楽です。音声・音楽は種種の周波数や音量も位相も異なるもので混成された、形成音(フォルマント/Formant)であります。
このフォルマントを測定する計測器はまだありません、従って現在の計測器による測定値は一つの目安であります。
励磁型ダイナミックスピーカーの性能が永久磁石ダイナミックスピーカーと比較して音の繊細さ・透明感が著しく優れています、又楽器の音程(殊に低音楽器)がはっきりと聴き取れます。
これは励磁型スピーカーの最も大きな特徴です、強い逆起電力によって、信号電流が消えると同時に振動板の運動も止まり、信号電源にない音は一切発生しない高忠実度の音声・音楽が得られるのです。
エキサイター型(励磁)スピーカは励磁電源の電圧を変えることによって、スピーカーのQが変化します。
電圧を上げると、Qは低くなりダンピングが強くなります、逆に電圧を低くしますとQは大きくなります。
励磁型スピーカーは、音質に優れるばかりでなく、スピーカー特性もコントロールできる
超マニアックなスピーカーなんです。
出典:The Secret of High-Fidelity High Power Speaker
上記はFacebookの魅惑の励磁の世界にようこそ、を立ち上げたとき
フィーストレックスの故秋山氏にお願いして書いて頂いた文面です
いつかはフィーストレックスを使おうと思っていましたが
結局、秋山氏のユニットは使うことは残念ながらありませんでした

今回のユニットは秋山氏のユニットは似て非なるものでレベルが全然違うでしょうが
軽量ダブルコーンの励磁フルレンジスピーカーです
パーマネント型と励磁の音は簡単に何が違うと言われれば
秋山氏も書かれていますが「繊細な透明感」が著しくすぐれていると思います
そのため、とてもリアルなサウンドを奏でるのが「励磁型」スピーカーの特徴です
一聴するとパーマネントは雑味が多く感じられ励磁は滑らかに艶やかに感じられます、
上記の説明でもわかりますが、パーマネントより磁力が強く制動力も有ります
これはF1に例えれば強烈なエンジンパワーですが、エンジンが強力でも
ボディーが重ければ、そのパワーは生かせられません
パワーウエイトレシオは、パワーと軽さで成り立つものです
励磁型スピーカーの魅力を発揮するには、軽量振動板が必須なんです
今まで様々な励磁型を聴いてきましたが、例外なくそれを感じました
ここでいう励磁型スピーカーは
TVやラジオに付属の普及品励磁スピーカーは除外で考えています
そういう意味では励磁の魅力が最も現れるのは
振動板が小さく軽い、コンプレッションドライバーだと思います

振動板の最小限の動きで音を造り、ホーンの共振で音を大きくし
ホーン開口部で外部の空気と巧くインピーダンスマッチングする
振動板と動かす空気の割合は小さいホーンでも1:100ぐらいで
大型の15Aや13Aだと1:1000にもなり、
振動板の1000倍の面積の空気を動かすことが出来ます
これが、ある意味ホーンが理想の空気変換方式だと思う理由です
励磁フルレンジは
ホーンを使わないダイナミックラジエーター方式(ダイナミック型)は
振動板と動かす空気が1:1の割合になりますから
振動板の動く面積しか空気は動かせませんから
空気の抵抗も大きくなり、より軽い振動板が求められます

取り敢えず鳴らす場所もないので、ユニットはオブジェとして飾っておいて
ゆっくり軽くて響きの良い振動板を探してみようと思います
実はこのユニットを使って再現したいスピーカーがあるんです
Voigtドメスティックコーナーホーン
いつか作りたいホーンです