
音の純度が高く、正確に音を拡声する、所謂音が良い「ストレートホーン」
に対して
曲がりを使い、強さや濃さを加え、音に魅力を加え拡声するのが
WEに代表される「ロール&フォールデッドホーン」
だと思っています
敵を作る発言になると思いますが、私の想いをハッキリ言っておきます
ここで言うロールやフォールデッドホーンは、
「音に目的を持って曲げられたホーン」です
基本は、まっすぐが良いのだが
日本の家には入らないので、強引に意味なく曲げられたホーンは

ここで言う「ロールやフォールデッドホーン」とは全く違います
音を聞けば一聴瞭然ですが、ストレートを曲げたホーンには
私は「曲げた事による負」しか感じません
代表的なWEロールホーンでは、まずWE12Aからでしょうか

冒頭の写真のWE13Aとペアで劇場で使われていたと言わるロールホーンです
素材は硬い無垢材で作られていて
3.3メートルの音道を経ても高域の減衰も感じられません
リアルでキレも良い響きを奏でます
私は15A等のロールホーンには音の偏心を感じ、
音ズレのエコー現象サウンドを時々耳にしますが
この12Aは実にうまく開口部でインピーダンスマッチングするように感じます
なにやらストレートの良さも感じる素直さを持ったロールホーンに思えます
お聴きになりたい方は、レプリカですが山形のGIPにて視聴が可能です
お問い合わせください
そしてWE13Aフォールデッド(折り返し)ホーン

ロールして一定方向にくるりと曲がるのではなく
その名の通り、前に後ろに折り曲げられたのがフォールデッドホーンです
この13Aの折り曲げ方が実に巧妙で
このホーンの開口部には「sound axis」と書かれた音の軸が存在しません
開口部のどこで聴いても、音ズレ等の違和感を感じません

12Aとペアで使われた時はステージ下から、555で主に低域として使われましたが
十分に高域までカバーするので、単体ホーンとしてもとても優秀です
4.27mの音道ですが、このホーンの素材も無垢材で作ってあるためか
高域の減衰は殆ど無く、とても力強い魅力的なサウンドを奏でます
四国でコツコツとレプリカを作っている方が居ますが
その出来は素晴らしく
朽ち果てかけたオリジナルを凌ぐとも言えます
WE12A、WE13Aとくれば当然14Aとなるのですが

上記が14A、通称チリトリホーン、ですがは今回はとばして
次はWEで最も有名なWE15Aホーンですが

15Aは少々ややこしいのですが、
ホーン本体にはWE17Aとります、その17Aホーンに
スロートが付き555が一本付き、555シングルのホーンになると
WE15Aというシステムの型番になります

最も多く作られたと言われるWE15Aですが、その素材は木製で
それまでの硬い無垢材ではなく、
合板三枚を張り合わせて作っているロールホーンのためか、
現存するオリジナルはかなり少ないですね
金属スロートの一段目と二段目でほぼ一周回ぐるりと周り
その後が合板のホーンです
音道の長さは13aと同じ4.27Mですが、
合板という素材もあってか、高域は減衰して聴こえます
オリジナル15aも何度か聞かせて頂きましたが、オリジナルでも
12や13と比べると高域の減衰が気になりました
我が街にはレプリカが沢山存在し、レプリカもたくさん聞きましたが
15Aの魅力は感じられますが、レプリカではどれもかなり高域が減衰します

私は15Aは、大吟醸のようなホーンと言います
すべての音を正確に拡声するのではなく
音の芯の美味しいとこだけを拡声するような、
雑味を除いた大吟醸酒のようなホーンだと思っています
その為か人の声、特に女性の声はとても良く官能的に聞こえます
これはロールによる音の遠心力とでも言いましょうか内側と外側で位相がずれて
程よいエコーが掛ってしまいますが
これをうまく利用して、あのサウンドを奏でているのだと思います

同じ音道の長さのWE13Aの「フォールデッドホーン」では
このエコー現象の音は聞こえません
ロールホーンならではのエコーサウンドで
リアルで力強いWE13A
甘く官能的なWE15A
そんな違いに感じられます
そしてホーン素材は木製から金属製へと変わっていき
WE16Aは555を二個使ったフォールデッドホーンです

金属のスロートを使い、左右からぐるりと捻って曲げて
両サイドから発した音を中央でぶつけ合って、
強烈な音を奏でます
鳴き止めもしていない金属製のホーンを使い、
左右からの音軸をぶつけ合った音は強烈な響きです

私は閻魔大王の怒鳴り声と表現しました(閻魔大王の声聴いたことないけど)
まあそんなドスの効いた強い音です
重量は15Aの三倍くらいあり、音道は見た目よりちょっと短めの393.7Mで
高域は減衰どころか、帯域もレンジも増大して加速していると感じます
15Aのように音を削るのではなく、
多くのものが付帯され加えられて、強烈な音を奏でます
だから皆さんわりと小さな音とで鳴らしますが

でかい音で鳴らすと、すさまじいですよ~
マニア宅で様々な16Aを聴かせて頂きましたが
16Aに合う低域や高域は存在しないかもしれませんね(笑)
そして最後のホーンと言ってもいいのが、WE22Aです

勿論この後もホーンは作られましたが
声の帯域をフルレンジで使える広帯域ホーンは22Aまでかな
24Aや25Aはストレートで、低域に別のユニットを使うのが前提の中域ホーンです
KSナンバーでも幾つか作られましたが、WEナンバーでは22Aまで

人の声をリアルに、魅力的に拡声することを目標に
様々な分野の人々での検証を行い、仕上げられたWE22Aですが
その魅力の反面、意外に使いずらいと言われるホーンです
縁あってこの22Aはたくさん聞かせて頂き、自分でも使ってきましたが
確かに気難しいホーンですね
私は、オリジナルのロールスロート設置ではなく
スロートを逆につけた、このS字スロートで使うのが良いと思っています
音の偏りが減少します
ある意味ですが「音を加速させる傾向にある金属ホーン」
金属ホーンの sound axis は強烈です
音軸の中心を合わせてステレオで聴くと、
音量の大小で、位相や定位等、様々な音が急激に変化しますので
この音軸をずらした方がバランスよく音楽を楽しめると思います
22Aのことは随分書いてきましたので繰り返しになりますが

向きやスロート配置でゴロゴロ音が変わりますので色々試してみてください
良い音の理想を追求した「ストレートホーン」

乱れや、歪の無い、良い音を追求するなら確かにストレートが良いと思います
ホーンで作られた音が、ホーン出口での空気整合
電気信号を空気振動に変換する、オーディオ最大の難関でもあり
最大の魅力ともいえる「音響インピーダンスマッチング」
ですが
「ストレート」と、「ロール&フォールデッド」ではインピーダンスが
ちがうように感じます
ホーン開口部で、
正しく乱れず、良い音で空気変換されるのが
ストレートホーン
反射で乱れ、強弱をもって空気変換される
ロール&フォールデッドホーン
純粋に良い音を求めるのか
濃さや厚み強さを加えた音が、魅力的な音に感じるのか
音源による違いもありますし、その音との出会いかたや
求める音によっても違い、感じ方は人其々ですが

いまはフォールデッドの音に魅力を感じています